二度目の出勤の翌日。
今はただ、静かな余韻の淵に沈んでいます。
「葉末透子」として歩み始めて、まだ二日目。
朝からずっと、指先まで凍りつくような緊張の中にいました。
一人の人間として、剥き出しの自分を晒すことへの戸惑い。
私はあの日、自分の中で凝り固まっていた「正解」を、縋るように握りしめて立っていたはずです。
けれど、二人きりの空間で身を委ねるうちに。
張り詰めていた自意識が、熱を帯びて少しずつ溶け出していくのを感じました。
昨日、私が経験した「初めて」。
この世界に入って間もない私が見た、未知の景色。その先に見えた、新しい自分。
無様なほどに翻弄され、なす術もなく崩れ落ちていく中で。
あんなに強固だった緊張が、いつの間にか、形を失うほどの深いリラックスへと変わっていたことに驚いています。
まだ夢の中にいるような、不思議で、けれど確かな感覚。
私はずっと、この世界を心のどこかで希求していたのでしょう。
日常という記号に戻る私は、今までとは少しだけ、違う形をしているのかもしれません。
刻まれた熱を大切に守りながら、次の扉を叩いていただける日を待ち侘びたいと思います。
葉末 透子
透子日記 『解凍』

コメント